−−−健全な男子として、オレはそのまま
十和さんと一線を越えてしまったのだった。

十和さんのカラダは
ふにふにしてあったかくて、
そして何故かとても懐かしい感じがした。


もう、十和さんが誰かなんて
ちっぽけな問題だ。
キツネだろーが幽霊だろーが
はたまた宇宙人だろうがどんとこい。

目が覚めたらとなりに
お嫁さんがいて、ねぼけた声で
名前を呼んでくれる。
これ以上の幸せがありますかってんだ。


思えば毎朝早くからごはん作って
そうじして、十和さんには世話に
なってばっかりだな。
お嫁さんなんだから、オレも少しは
手伝ってあげなくちゃ。

とりあえず朝メシでも作るかな?
っても、目玉焼きくらいしか
できないんだけど。

冷蔵庫を見たら卵は残ってない。
今のうちにぱぱっと買いに行きますか。

外に出ると朝から雪が降っていた。
もう一枚なにか着てくればよかったかな…

オレはひとまず近場のコンビニに向かった。

…けれど。

(あれ…おかしいな、この辺じゃなかったっけ?)

よく行っていたはずの店が見つからないのだ。
工事した感じでもないのに、どうして………

しばらくあたりをうろついてみても、コンビニはどこにもない。
それどころか、街の様子がおかしいんだ。

こんな街は知らない。オレ、本当にここに住んでたのか?
急に不安に苛まれ、オレは駈け出した。

うちへ帰らなくちゃ。
十和さんが心配してる…

だけど、その「うち」が
どこだか分からない。

畜生、どうなっちまったんだよ!?

頭が締め付けられるように痛い。
やがてオレは冷たい地面に
倒れ伏してしまった。


「−−−タカシ…隆さん!! 隆さんっ……!!!」

かすかに、十和さんの声を
聞いたような気がした。
 もどる。 まえ。 つぎ。

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